トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2017年10月29日日曜日

【その後のマイギア】いよいよ寿命かマイシューズ

使用後のメンテナンスもしっかりと行っているので、見た目はまだまだいい。
先日の下ノ廊下のこと。降り続く雨の影響もあって、登山道にはたくさんの水たまりができていた。また渡渉を伴う小さな支流越えがいくつもあったりで、山行では水と接する機会が結構多かった。そんな中自分はというと、いつものようにお構いなしに水の中をバシャバシャと歩いていたが、するとどうだろう、登山靴の命ともいえる防水性はどこに行ってしまったのか、つま先あたりから徐々に水が浸みてくるではないか。テン場に辿り着いてさっそく靴の中をチェックしてみると、やはりそうだ、靴の中はびしょ濡れになっている。幸い気温がそれほど下がっていなかったので冷えを感じることはなかったけど、下手をすると下手をするところだった。山どころでなかったかもしれない。しかも、そこは黒部峡谷のまん真ん中で、エスケープルートがあるわけもなく、翌日も10kmの山歩きが待っている。こうなるともはや諦めるしかなく、結局は翌日も気持ちの悪い状態のまま歩き続けた。
いま履いている靴『zamberlan SHERPA LITE GT』(ザンバラン シェルパライト GT)は山歩きを始めたときに買った登山靴で、買ってから7年目。改めて調べてみると、共に歩いた山行は約60回にも及んでいた。Webなどを見てみると、登山靴の寿命は製造からおよそ5年程度とみるべき的なことが多く書かれている。大体はソールの劣化が寿命の原因のようだが、マイシューズの場合、ソールはまだいけそうで、アッパーの状態もそれほど悪くない。つまり見た目はまだまだ大丈夫そうなのに、肝心の防水性が頼りない状態。ただしこの状態こそが登山靴としては致命的と言わざるを得ないのだろう。今まで一度もまめができたこともなく、最近では山と共にいることが当たり前のような存在になっていたマイシューズ、とても残念だ。とはいっても使用年数も年数だし、う~ん...、でもやはり寿命と見るのかな。
ということで新しいシューズを探さなくっちゃ!って、変わり身の早い自分、なんだか薄情者?でも、これだけは言っておこう。今までありがとう、マイシューズ!
多少すり減り感はあるけど、まだまだいけそうなソール。
⇒ で、結局その後買ったのがこれです。

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2017年10月24日火曜日

秋の長雨と絶景『下ノ廊下』

下ノ廊下は旧日電歩道。自分、本当にここを歩いてきたんだ!
『下ノ廊下』に行きませんか?雨で流れてしまった9月の槍ヶ岳登山を共に歩く予定だった山友から、突然そんな提案を受けた。『下ノ廊下』?聞いたことはあったけど、正直、予備知識は全くなかった。その後、Webで調べてみると、そこは、なんとも凄いところ。そう、『下ノ廊下』とは、黒部ダムをスタート地点として黒部川の下流域に沿った登山道で、トロッコ列車の終着駅のある欅平(けやきだいら)までの区間を指す。元々は電源開発を目的とした黒部ダム建設の事前調査のために作られた人工的な道で、その距離およそ30km。通常、ルート中に唯一ある阿曽原温泉(あぞはらおんせん)小屋で一泊することが多い。
ここの凄さは、なんといっても深い谷に刻まれた登山道。これにより黒部峡谷のけた外れのスケール感と、足元を踏み外しでもしようものなら命の保障はないだろうと思われるスリル感を存分に味わうことができる。しかも、ここは歩けることができるのが残雪の影響から9月から10月の1~2か月間しかなく、雪の状況によっては開通しない年もあるらしい。今年は10月に入ってからようやく開通したので、歩けるだけでもかなり貴重な体験といえるだろう。
そういうわけで、ここは人気の山域。不良会社員の自分らは少しでも混雑を避けるため、3日間も休暇を取って準備したのだが、そこはレジェンドとも言えそうな雨男の自分、やはりとでも言うか、3日間ともしっかり雨だった...。
左側に小さく見える木道。雨でとても滑りやすい。滑落したらただでは済まないだろう。
さて、実際に歩いてきた『下ノ廊下』、その体験を少しだけ書き留めておこう。初日は長野県側から電車とトロリーバスを乗り継いで、黒部ダム近くのテン場に前泊。この時はまだ雨は降っていなくて、山友が準備してくれた鍋が最高に美味かった。山での鍋は初めてだったが、とてもイイっ、またやるぞと思えるメニューだ。その日、深夜に雨が降り始め、翌朝(といってもAM2時起き)のテント撤収は雨の中。これも初めての経験だったので、ある意味いい経験になった。この日2日目、4時前に歩き始めたので2時間ほどは暗闇の中での歩き。だんだんと川の音が近づいてくる。おそらく内蔵助谷出合だろう、見えないけどその豊富な水量はおおよそ想像がつく。その後、だんだんと夜が明けてくると、すでにそこは黒部峡谷の中。突然に日本の秘境に置かれた自分、何とも不思議な気持ちになる。この日の行程は約10時間。まだ2時間程度だから、この後、どんな景色と出会えるのかと想像するだけでワクワクしてきた。
道幅は体の幅程度、危険個所には針金の手摺がある。もちろん頭上にも注意が必要。
歩を進めていくと、いつの間にか川面から結構な高度にいる。登っている感覚があまりないので、川が下がったのだろう。だんだんと『下ノ廊下』らしい雰囲気になってきた。狭い登山道を踏み外さないように、濡れた木道に足を取られないように、頭上の岩に注意しながら、時には高い木階段を上り下りしたり、時には滝のように流れ落ちてくる水をくぐりながら、慎重に着実に歩いていく。そんな中この日一番、危険を感じたのは黒部別山谷に残っていたちょっとしたビル並みの大きさの雪渓越え。手前の岩壁をロープを伝って登り、雪渓上に上がるとツルツル滑りながらこれまたロープを頼りに向こう側まで渡り、かじかんだ手のまま長い階段を下りて越えた。どれも手を滑らせ、足を滑らせ落ちそうになった。ヤバかった。いやホント怖かった。ただ、そんなこんなの困難を乗り越えていくと、次第に高度感にも慣れてきて、周りの景色が見えるようになってくる。気づくと周りは錦秋のさなか、なんて美しい世界なんだろう。緊張の中にじわーっと感動がやってくる。改めて思ったが、ここは秘境、黒部渓谷、やっぱり普通じゃない場所。とにかく凄いところだ。
木階段を登りきったところ。なかなかの高度感。あまり見ると怖いけど美しい...。
その後、この日のメインビューというべき十字峡を目の前にした。腹の底に響き渡る瀑布の音や、恐ろしくて近づききれない大水量の前に、ただただ立ち尽くすだけの小さな自分。ここは本当に何もかもスケールが大きい。自然を前に人間の存在は本当に小さなものなんだと、この日何度目だろうか、そんなことをつくづくと思った。
これがド迫力の十字峡。ようやく目の前にすることができた。
休憩含めて11時間ほど経って、ようやくこの日のテン場、阿曽原温泉小屋に到着。まずは無事の山行を終えビールで乾杯。依然、雨は降っていたが予定通りテントを設営し、ここの名物の温泉へ。ここの温泉は吉村昭の「高熱隧道」でも有名な温泉を湯船のすぐそばにある横穴から引いてきているらしい。雨で冷え切った体に効く、とてもいい湯だった。夜になると雨がやんできたので、まだまだザックに残っていたビールとワインで乾杯(一体何本持ってきたんだ自分?)。これで随分荷物は軽くなったはず。早めに切り上げ翌日の歩きに備えた。
阿曽原温泉小屋のテン場。この日は雨の影響からか自分たち以外は3張り。
3日目、ザックの中の飲み物はなくなったけど、その分、水をたっぷり吸いこんだテントが重量を稼いでくれているようで、この日も楽でない歩きとなった。阿曽原温泉小屋をスタートすると、20~30分はきつい上り坂。息が上がる。若い山友はぐんぐん先を行き、自分はあっという間に差をつけられる。この日、これっ切りゴール地点まで山友の姿を見ることはなかった。約10km、延々と一人歩きが続いた。初の『下ノ廊下』での一人歩き、山友はそんな粋な計らいを用意してくれていたのだ。
『下ノ廊下』といっても昨日歩いたのは「旧日電歩道」といい、今日のは「水平歩道」と呼ばれている。「水平歩道」は距離が昨日の半分ほど。残り少ない今回の歩きをじっくりと噛みしめるよう、山友に置いて行かれ一人歩きとなった途端、そんなふうに頭を切り替えた。ただこの「水平歩道」、距離は短いというものの、昨日に比べて全体的な高度はあるように感じたし、昨日と違った見どころもある。深いオリオ谷では対岸を歩いている登山者が米粒のように見え、次の志合谷では支流の奥にトンネルを掘ってあり、そこを通って谷を抜けるというここならではの登山道があった。そこのトンネルは、抜けるのに5分以上もかかるし、中は水浸しだし、しかも中でくねくね曲がっていて出口が見えないから、正直、結構不安な気持ちになった。それにしてもこの調査道、よく作ったものだ。
高度感ハンパない水平歩道。慎重に歩を進める。
ただ、その後も粘り強く歩いていると関電の送電線が見えてくるので、そこまで来るとゴールは近くなってくる。遠くにトロッコ列車のアナウンスの声が聞こえてきて、やがて川が見えなくなり下り坂がきつくなってくると、なんだかんだ言いながらもホッとした気持ちが強くなってくる。1時間ほど前に雨はやみ時折日差しも見え始めてきていた。ただ足元はまだまだ濡れた状態。山歩きは締めが肝心と、高まる気持ちを落ち着かせて最後の下り坂をスピーディーかつ慎重に下りていった。すると、眼下に建物の屋根が見え始め、そこがゴールの欅平だと気づく。よく見ると、そこに山友が笑顔で手を振っているのが見えた。
この後、二人はトロッコ列車に乗り宇奈月温泉で3日間の汗を流し(って、昨日も温泉に入ったか...)、初の北陸新幹線に乗って帰路に就いた。もちろん、新幹線の中では富山の酒と肴でお互いの山旅を締めくくったことは言うまでもない。

【Start 2日目:ロッジくろよん~阿曽原温泉小屋 3日目:阿曽原温泉小屋~Goal 欅平】
 → 1日目は黒部ダムからロッジくろよんへ約2km(前泊)。
総行程は、距離(2日目約20km、3日目約10km)、出発地点標高(1480m)、最高標高 (不明)、最低標高(599m)(欅平)、移動平均速度(約1.9km/h)、総所要時間(2日目約11h30m、3日目約4h00m)(GPSはここでは上手く機能しないみたい。深い岩の谷のせいか?)

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2017年10月15日日曜日

ダウンパンツ購入『MOUNTAIN EQUIPMENT POWDER PANT』

来週、北アルプス方面への山行を計画している。季節も季節だが、天候もあまり芳しくないようなので、それなりの防寒対策が必要となる。まあ、そういうわけで前々から欲しいと思っていたダウンパンツを買った。そう、安全確保のためしょうがなく買ったのだ。家内にはそう説明した(汗)。
買ったのは、マウンテンイクイップメントのパウダーパンツ。わずか211gでテン泊時の寒さを格段にしのげるのであれば、ややお値段は張るものの、この時期の装備としてはやはり必要なものとして準備しておくべきなのだろう(汗汗)。
自分の場合、この時期のテン泊時の防寒対策として、これで上下のダウンが揃ったので、これにモンベルダウンハガー800の♯3(リミット温度-2℃)のシュラフと、ゴアのシュラフカバーとセットで使用すると、おそらく-10℃くらいまでは行けるんだと思う。来週の山行もこれで安心だ。しかも奥多摩辺りの低山であれば、真冬も行ける計算になるので、これでずいぶんと山行の多様性が高まったことにもなる。今度の冬は奥多摩に冬キャンプでも行ってこようかな。家内は付いてきてくれるだろうか...、だめか家内は装備を持っていない。じゃあ、やっぱりお一人様か。


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2017年10月6日金曜日

一泊二日『涸沢カール』への旅

2日目の早朝、目の前の穂高連峰は赤く照らされた。さあ、新しい一日が始まるぞ。
先週の週末、あの涸沢カールに家内と行ってきた。もちろん上高地から歩いてだ。とうとうこの自分も北アルプスデビューである。まあ、そうは言っても山頂を目指したわけではなく、あくまでも涸沢カールを目的地として歩いてきたのだが。それでもこの涸沢カール、家内だけではなく、自分にとってもなかなかな強敵だった。というのも、出発地点の上高地バスターミナルから目的地の涸沢カールまでの片道の距離は約17kmと、およそ3分の2が平地だとはいえ、家内はもちろん未曾有の距離であったし、自分は自分で20kg近い荷物を背負っての歩き。それなりの不安と覚悟を持っての出発となった。
とはいえ、そこは初めての上高地、初めての北アルプス。テンションが上がらないはずがなく、2人とも上高地に着くなり河童橋を見ては「キャー」、その背後にそびえる明神岳を見ては「オー」と、まさにお上りさん状態。実際に歩いてみても、上高地を発って1時間ごとに明神、徳沢、横尾と、山小屋が配置されて休憩できるので、初めの長い平地歩きもそれほどダラダラとした感じはない。また、その後の横尾大橋を渡ってからはどんどん景色が変わっていくし、本格的な登山道に入っても危険箇所はほとんどないこともあって、目的地に着くまでのワクワク感を存分に楽しめるコースだった。

雲一つない錦秋の涸沢カール。そのスケール感にただただ圧倒されるばかり。
そしてなんと言っても、涸沢にたどり着いた時のあの感動。いままでテレビや写真でしか見たことがなかったあの景色がすぐ目の前にある。スケール感のある美しいカール地形、威厳さえ放つ岩山、錦色に燃立つ紅葉、そしてこの日はそれらを引き立たせる雲ひとつない青空があった。完璧である。夜は夜で満天に広がる星空と暗闇を彩る色とりどりのテントの明かり。そして翌朝のモルゲンロート、自然に涙が流れてきた。山やってて本当に良かったと、何度も何度も心の中で叫んだ。人生五十有余年、おそらく自分の中ではこの景色がナンバーワンだと思う。ここはそんな特別な場所だと強く感じられるところだ。
ただ、ただ一点だけ難点を挙げるとすれば、それは異常なまでの登山客の多さ。目的地まで長い道のりがあるにも拘わらず、昨今の登山ブームに外国人観光客の増加もあってか、この日もテントだけで1000張り以上は確実にあって、二つある山小屋もおそらく超満員なんだろうと思う。いくらスケールの大きな涸沢といえども、この日、ここにはいったい何人の登山者がいたのだろうか。涸沢ヒュッテの売店には長蛇の列ができ、名物のおでんセットにありつくには何時間かかるのか。もちろんトイレも同様で、便器にたどり着くまで30分以上は確実にかかり、もようしてから列に並んでは時、既に遅しである。テン場に至っては、砂地なんて残っているはずもなく、それどころか、よもやテン場とは思えないようなゴツゴツした岩の上に仕方なく張るしかなく、夜は寝辛さに悩まされた。

前穂高岳から大きな月が顔を出してきた。この日は明るい月夜だ。
人だらけの涸沢、自分たちは今回そんな大変な目に会うとも知らずに行ってしまったけど、平日や他の季節は分からないが、この時期の週末の涸沢に行くには相当の覚悟が必要。でも逆に言うと、あまり構えすぎると行けなくなってしまうかな。勢いも必要だと思う。そうした点も含めて実際に歩いてきた者の率直な感想としては、「それでも一度は歩くべき」ということ。そして「次はこの季節を外して行こう」とも思った。つまり、大変な思いはしたけれどもう一度行きたい、涸沢カールはそういうところであることは間違いない。
さて、日頃トレーニングをろくにしていない家内と歩いたコースタイムを以下に記すこととしよう。きっと、トレッキング初心諸君の参考になると思う。そして最後に一言、言わせてほしい。「山サイコー!」。

【1日目】 8:19 上高地バスターミナル → 9:26 明神館 → 10:15 徳沢キャンプ場 → 11:34 横尾山荘 → 13:13 本谷橋 → 15:44 涸沢ヒュッテ
【2日目】 6:37 涸沢ヒュッテ → 8:35 本谷橋 → 9:44 横尾山荘 → 11:09 徳沢キャンプ場 → 13:00 明神館 → 13:57上高地バスターミナル


【1日目:Start 上高地バスターミナル~明神~横尾~涸沢テン場】
総行程は、距離16.9km、出発地点標高1504m、最高標高2305m(涸沢ヒュッテ)、最低標高1504m(出発地点)、移動平均速度 約1.9km/h、総所要時間8h38m(by garmin)
【2日目:Start 涸沢テン場~横尾~明神~上高地バスターミナル】
総行程は、距離16.5km、出発地点標高2294m、最高標高2303m(涸沢ヒュッテ)、最低標高1508m(上高地バスターミナル)、移動平均速度 約2.2km/h、総所要時間7h19m(by garmin)


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