この登山家、山登りだけではなく、しゃべりも一流ですね。 |
間近で見る竹内さんは、テレビなどで見るご本人よりももっと細身な印象で、しかも山男らしからぬ(というのは自分の先入観ではあるが)饒舌で、本当にこの男がすべての8000m峰を制覇した男なのだろうかと、最初は半信半疑とでもいうか不思議な感覚で、彼の話に聞き入った。
話の内容としてはやはり14座登頂の話で、それぞれの登頂に至るまでのエピソードや山の歴史などを実に端的に、しかもテンポよく話を進めていった。初の8000m峰登頂となったマカルーでは1995年当時、満足な地図や資料がなかったため、ベースキャンプとする場所を3か月もかけて自分たちの足で探して決めたとか、2001年のナンガパルバットでは友人の突然の病気により国際公募隊に日本人ただ一人参加することとなってしまい大変だったが、その後の8000m峰をともにするドイツ人登山家ラルフ・ドゥイモビッツとの出会いがあったとか、話の内容はどれも興味深く、皆、「竹内ワールド」に引き込まれていたと思う。
そうした話を聞きながら強く感じたのは、この竹内という登山家、実によく勉強をしているということ。14座のことに限らず、ヒマラヤのこと、山のことを仔細に調べ上げ、しかもそれはおそらく講演用というわけではなく、幼いころから持ち得ている山に対する本質的な興味心と、日本のリーディング・クライマーの一人としての自覚が、単なる山バカに収まらず、まるで実践力を兼ね備えた学者といったイメージ。まあ、母校の客員教授を務めているらしいから、なるほど頷けるところかな。学校もいいところに目をつけたと思う。
すっかりファンになり、本まで買っちゃった... |
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