トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2015年11月28日土曜日

尾根を渡る風‐駐在刑事‐

心あったまる、そんな一冊です。
山にまつわる小説が読みたいと思い、図書館に行った。借りてきたのは『尾根を渡る風‐駐在刑事‐』。笹本稜平さんの小説だ。あわせて笹本さんの小説を何冊か借りてきたけど、どれを読んでも胸があったかくなって、気持ちがとても和む作品ばかりだ。通勤電車が主な読書場の自分、この本を電車の中で読んでいると、地獄の通勤ラッシュにあっても気持ちがホンワカして心に余裕が生まれるような気がする。少しくらい足を踏まれても、「お互い様だから大丈夫ですよ」といった具合(かも...)。
この本、シリーズ短編5作でできていて、舞台は自分もホームグランドとしている奥多摩の山域。奥多摩に駐在所長として赴任して山歩きがかけがえのない趣味となった訳ありの元警視庁捜査一課刑事「江波淳史」とその愛犬の「プール」、若いながらも江波の山の師匠であり、それでいて近所の旅館の気ままな跡とり息子「池原孝夫」、そしてその仲間達。そんな登場人物たちが奥多摩に巻き起こる事件を解決していくのだが、警察が取り上げないような小さな手がかりを捜査して解決に導いていったたり、誰も追及しない事件の裏に隠された真実を紐解いたりしていく中で、毎回、心温まるエピソードが展開していく。しかも舞台となる奥多摩の地名がふんだんに出てくるので、読んでいて臨場感がハンパない。奥多摩好きの読者にはお勧めの一冊であるし、そうでない読者もこの本を読んで、ぜひ奥多摩に足を運んでほしいとも思う。近々、また奥多摩を歩いてこようと思う。奥多摩に魅入られたのは江波だけではない、ここにもいる。

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2015年11月23日月曜日

奥多摩お手軽トレック『金比羅尾根』

日の出山へ向かう。ガスの中もたまにはいい
この日が曇天になることはあらかじめ分かっていた。でも、どうしてもこの日、山を歩きたかった。11月も下旬、冬の歩が足早になってきたこのごろ、奥多摩の山はすでに紅葉の見ごろは済んでしまったようではあるが、途中立ち寄った御岳山山頂付近はそんな季節にもかかわらず、たくさんの登山客で賑わっていた。いまだ登山ブームに衰えは見られないようだ。
歩き始めは夜明け前、誰もいないひっそりとした登山口をただ一人歩き始める。マイナーな登山口の割りに立派な休憩所が設置されているところはさすが東京都奥多摩。鹿避けネットのゲートを通り森に入ると辺りは真っ暗で、ゆっくりゆっくりと歩を進める。つづら折の登山道を1時間ほど堪えていくと小さな尾根にたどり着く。この頃になると周りの様子もしっかりと分かるようになるが、一方でガスが濃くなりあっという間に雫を落とし始めてきた。
参道途中に今回のルートの道標があった
幸いにも最初のピークの大塚山近くに休憩所があったので、そこでレインウェアとザックカバーを装備する。こんな天気のときに屋根付きの休憩所があるのは本当に助かる。その後、数々のカラフルなレインウェアで賑わいに彩を添える御岳神社で家内安全を祈ったあと、いよいよ初めてのルートに足を踏み入れた。ここからのルートは、日の出山を経由して金比羅尾根をひたすら歩き、武蔵五日市駅をゴールとするもの。多少のアップダウンはあるものの基本、なだらかな下り尾根をだらだらと10km以上歩いていく。時間にして4時間ほどだろうか、とにかくゆっくりと周りの景色を楽しみながら、そして歩きそのものを楽しみながらゴールを目指していく。
下山後、ひとり乾杯~!
日の出山で早めの昼飯を済ませたので、体力はみなぎっている。何度も思うが残念なのは天気のこと。まあ、こういうときもあるさと、再び気持ちを切り替え晩秋の奥多摩を楽しむこととした。この金比羅尾根は、距離はそこそこあるけど、とにかく危険箇所も急登もないので初心者やご年配の方に人気があるようで、この日も結構な人数の登山者とすれ違った。今回のルート選択は、自身未踏で、かつ日帰りが可能な奥多摩のルートをと、地図とにらめっこしていたときに目に付いたルートで、そうした思惑とぴったりとはまった。歩き始めのわくわく感、登りでの息の弾み、山頂付近の賑わいとの触れ合い、穏やかな尾根歩き、これらは「とにかく山を歩きたい」といった当初の欲望を十分に満たしてくれ、ゴールに着いたときは調子に乗ってビールまで飲んでしまった。こんな日の山もいいものだと、うんうんと一人頷く姿は、果たしてどのように映っていたことだろう。
【Start JR古里駅~御岳山~日の出山~金比羅尾根~Goal JR武蔵五日市駅】
総行程は、距離18.6km、出発地点標高280m、最高標高929m(御岳山山頂)、最低標高269m(丹三郎登山口付近)、移動平均速度2.5km/h、総所要時間7h26m(recorded by garmin)

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2015年11月21日土曜日

《みんなどうしてる?》登山靴はいつ洗うのか

いつもぴかぴか。皮革にはいいこと?悪いこと?
新シリーズを始めた。最初は見よう見まねで始めた山だが、何シーズンか続けていると、各所で少しずつ自分のスタイルみたいなものが出来あがってくる。すると、自分としては当たり前のようにやっていることに、ふと、「他の人はどうしているのだろう?」といった疑問が湧いてくる。そんな素朴な疑問に真摯に向き合うだけでも自分の山に対する思い入れは深まってくるだろうし、この投稿を読んでいただいている皆さんにも、もしかして何らかの気づきを促すことに繋がるのかもしれない。
そんな思いで始めた新シリーズ第一弾は、「登山靴はいつ洗うのか」だ。自分の場合は、山から帰ってくる都度、水洗い、もしくは中性洗剤を使ってブラシでゴシゴシしている。そのあとは、1~2日間の陰干しをして次の山に備え靴箱に格納している。毎度洗うのは、自分の場合、山へのアクセスに電車を利用することが多く、そうなると当然にして山に無関係な人たちと一緒の空間を共有する時間帯があるわけで、そうした現実世界とでもいうか、要は日常の中では、やはりエチケットとして身だしなみを整えておくべきという考えがあるから。小うるさいオヤジみたいなこと(まあ、そのとおりかもしれないけど)を言ったけど、おかしいかな。

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2015年11月14日土曜日

《ちょこっと情報》MUKAストーブに起きた不具合と修理

以前に比べメタルっぽくなったコントロールダイヤル
2年ほど前から愛用しているSOTOのMUKAストーブ。プレヒートが不要なほか火力も強く、なんといっても嬉しいのはレギュラーガソリンを燃料として使用できるので、コスト的に大助かりと、いいことずくめのガソリンストーブ。ところが、先日、いつもどおり使用していたところ、コントロールダイヤル付近から霧状のガソリンが噴射しているのに気がついたので、慌てて火を止めたという事象が発生。
早速、ストーブを購入したスポーツ店を介して新富士バーナーさんに修理をお願いしたのだが(そういえば、修理後の着火テストしてなかったな...)、その際の修理費用はなんと無償とのこと。そう、タダ。メーカー側の見立てとしても、やはりコントロールダイヤルより燃料が漏れることを確認したようで、その原因としてはポンプ内の部品(Oリング)に異物が付着したためだそう。要は土ぼこりなどが侵入してきたため、隙間ができたのだろう。対処として、コントロールダイヤルを含むシリンダーユニットを新型のそれと交換してもらった。でも、無償で修理って、どういうことだろう。寛大なサービス精神?「損して得しろ」精神?それとも、同様の不具合が多数報告されているようだが、もしかして消極的なリコール?どうでもいいことだけど、このMUKAストーブ、決していいことずくめの製品ではなく、他のストーブ同様に丁寧な使用とそれなりのメンテナンスが必要だということ。まあ、当たり前か...。
最後に、今回の納品書にはジェネレーターが変形していたのでユニットごと交換したと記されていたのだが、どう見ても以前と同様に使用感ありありのまま。新富士バーナーさん、これどういうこと?交換してくれなかったの~?

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2015年11月8日日曜日

≪ちょこっと情報≫北横岳ヒュッテの晩飯

馬肉すき焼き、旨いには旨かったのだが...
先日泊まった北横岳ヒュッテ。山頂間近なロケーションといい、最大収容40名といった手頃なサイズ感といい、目がやや怖いながらも(ご主人ごめんなさい)ユーモア満載のご主人といい、なんといってもこの山小屋がウリにしていると思われる豪華な晩飯といいい、どれをとっても満足のいくものだった。
そんな魅力的な山小屋ではあるが、どうにも困ってしまた。それは、この日の晩飯の「馬肉すき焼き」のこと。馬肉はこの地方で昔から食べられている食材だそうで、それ自体は、むしろ実に美味しく頂けたのだが、ただ、この日の自分、一人だったということ。さすがに山小屋側も一人分で出すことができなかったのか、同じ日に宿泊していた親娘のお二人と一緒に鍋をつつくこととなった(正直、ゲッ!だった)。もちろん、一人で鍋をつつくことは寂しいが、さすがに今日始めて出会った人、しかも晩飯を食べるときに初めてコミュニケーションをとった方だったので、お互い気まずい感じ。まあ、向こうがよい方だったし、結局はお互いに気を使いながらも、それなりに打ち解けられて、そこがもしかしたら山小屋の狙いの一つだったのかもしれないけど、自分の性格上、かなり気疲れはしたことは確か。
ここに一人で泊まることを計画している方、そうしたこともあると思っていたほうがいいですね。逆に自分と違って山友との出会いを積極的に求める方には好都合かも。ご参考まで。

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2015年11月5日木曜日

堪能!晩秋の『北八ヶ岳』(後編)

北横岳から望む夜明け前の南八ヶ岳と南アルプス
小屋泊2日目の朝、ご来光を拝むために5時に起床し身支度を整えた。外の気温は-7℃。山頂では風があったので体感気温は-10℃超え。幸い泊まった北横岳ヒュッテから北横岳山頂(南峰)までは約10分ととても近いので、身支度としては防寒着を着込むほかはカメラを持つくらいなので、とても気軽にご来光拝みに行くことができる。まだ暗い登山道を山頂に向う途中、振り返ると漆黒の夜空にオレンジ色の地平線がくっきりと浮かび上がってきて、夜明けが間近であることを窺わせていた。
山頂で日の出を待つ間、だんだんと展望が開き始めてきた。南八ヶ岳、南アルプス、乗鞍岳、北アルプス、...そして、まだ名前の知らない山々たち(汗)。加えて、はるか下方に広がる雲海も。今日も快晴だ。きっといい日になるだろう。そんなことを思っていると朝日が顔を見せ始めてきた。なんて紅い色だ。これまで見たこともない真紅の太陽が少しずつ少しずつ昇ってくる。余りにも美しく、そして衝撃的で涙が出そうになった。思わず手を合わせていた。家族のことを思った。さっきまで寒くて震えていた体もぴたりと止まり、ひたすら山にいることの感謝と家族の幸せを願った。だが、そんな感動も小屋に戻って朝食をたらふく食べた頃にはすっかり鳴りを潜め、気持ちはすでに今日歩く予定の山のことでいっぱいに。今日もいい山歩きをするぞと。
大岳山頂から北横岳を望む。ヒュッテが見えた。
さて、2日目の山歩きは北横岳から大岳を縦走したあと、双子池まで一気に下りて、さらにもう一度北横岳までルートを変えて登り返すといったもので、短距離ながらも高低差400m以上を楽しむ「どM」ルート。大岳は前日の三ツ岳同様に岩の世界で、そう考えると、この北八山域は岩山なのか。まあ、そもそも八ヶ岳が火山だと考えると、岩だらけであることも頷けるのだが。
事件が起きたのはそんな大岳を下っている最中のこと。そのときは北八イメージどおりの苔地帯を緩~く歩いていて、ふと登山道を外れたことに気づき、「あれっ」と思ったけど、それでも僅かに踏み跡らしいものも続いていたので、そのまま歩き続けた。そのときは「こけ天国」が何故かずっと続くと思い込んでいたのだが、徐々に「しゃくなげ地獄」に変わり、しまいには身動きが取れない状況となった。
ひっそりとしたシラビソの森を一人歩く
まだ早い時間帯だったからよかったものの、下手をすればパニックとなってもおかしくない状況。さすがに観念し、可能な限り元の場所に引き返すこととした。とにかくきついヤブ漕ぎ状態を抜け出ようと、四つん這いになりながらも必死に登り返し、結局、コースアウトしてから40~50分かけてようやく登山道に出ることができた。この時点で体力レベルは早くも50%まで低下。いや~、道迷いは早めの回帰が大切だという基本を忘れて、すっかり浮かれてしまっていた。恐るべし「こけ天国」と「しゃくなげ地獄」。
このあと、双子池や亀甲池で癒されはしたものの、北横岳の登り返しはさすがに堪えた。でも、そんなきつい状況も不思議と楽しみながら、周りの雰囲気の変化にも敏感に感じながら、もちろんハアハアと息を弾ませながら、山歩きを楽しんだ。いまさら、今回の山歩きの教訓を書くまでもないが、山はやはり体で感じ、体で覚え、苦しみながら楽しむといった言葉的には矛盾はあるだろうが、まあ、そういうものなのかもしれない。ところで、今回の山歩きは雪山の下見を兼ねてと言ったが、とんでもない失礼な話。今回は今回で十分に堪能することができ、一気に北八ファンとなってしまった。冬に行くときは、また新たな気持ちでこの山域を楽しむこととしたい。今から楽しみである。

【1日目:Start R.W.山頂駅~縞枯山~Goal 北横岳ヒュッテ、2日目:Start 北横岳ヒュッテ~大岳~Goal R.W.山頂】
総行程は、距離1日目6.3km、2日目10.0km、1日目出発地点標高2237m、最高標高2480m(北横岳北峰山頂)、最低標高2026m(双子池前)、移動平均速度1.4km/h、総所要時間1日目4h10m、2日目6h36m(recorded by garmin)

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2015年11月2日月曜日

堪能!晩秋の『北八ヶ岳』(前編)

霧氷で白くなった山が青空に映える
今度の冬、雪山デビューを計画している自分。この週末、その下見を兼ねて北八ヶ岳山域に足を踏み入れてきた。北八ヶ岳、特に北横岳周辺は今や冬山入門の山域として、冬ともなればスノーシューを履いた若者を中心に大変賑わっているらしい。この北八、なんといってもロープウェイで一気に2200mまで登れるし、山頂駅の周りは比較的平坦で、しかも冬でも山小屋が営業していることが冬山初心者にとっても安心できるのだろう。かくいう自分も基本に忠実に?この山域を冬山デビューの場としてチョイスしたのだが、基本、ソロで歩く自分、いかに入門コースといえども、さすがに冬山歩きをするには一度でもその山の雰囲気を知っておこうと思い、今回の山歩きとなった。
当初雨が心配されたこの日は、そんな心配をよそに冬を目前に控えての澄み切った青空が広がり、久々の小屋泊ということもあり、朝からテンションマックスの状態で山を目指した。電車からバスに乗り継いで、北横岳や蓼科山が見え始めた頃は白い鼻息が荒々しく噴出していたのではと思うくらい。しかもこの日の山はうっすらと白くなっていて、ロープウェイの車掌さんいわく、霧氷によるものらしい。大変珍しい現象で、このことで自分のテンションはさらに高まって、0℃近傍の気温の中では自分の鼻の周りにも霧氷ができていたのではないだろうか(笑)。
縞枯山展望台。樹林帯を抜けてのここは気分がイイ。
坪庭を抜け一人歩き始めるとピーンと張り詰めた山の空気がたまらなく気持ちが良く、また、この山域特有の縞枯現象を間近にして自然の奇跡に驚き、梢の霧氷がぱらぱらと落ちる中、縞枯山に向けて静かに歩を進めていく。途中の縞枯山展望台で意外にも岩稜の世界を味わい、その後、雨池山、三ツ岳と経て本日の宿泊先である北横岳ヒュッテに到着。この間、想像以上の急峻なアップダウンと、ごろごろとした岩がひしめく登山道では、一歩一歩が大きく足を広げないと上り下りができず、鍛え不足の太ももが徐々にやられていった。特に三ツ岳では、それまで北八は優しい女性的な山だと勝手に思っていた概念を完全に覆すほど、ごつごつした岩の世界で、鎖場が連続するなど、とても男っぽい山であることが分かった。
そうして、この日は山小屋でご当地料理の馬肉すき焼きといったスペシャルな夕食をいただいた後、薪ストーブ前のスペースでご主人や他の宿泊客の山談義を聞くなどして充実した一日を終え、9時には床に就いた。なんといっても明日は数年ぶりの山でのご来光。晴れることを祈りながら、満腹感や疲れもあってか、あっという間に眠りに就くことができた。(後編へ続く)
小屋泊の楽しみの一つに満天に輝く星空もある。
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