トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2017年10月15日日曜日

ダウンパンツ購入『MOUNTAIN EQUIPMENT POWDER PANT』

来週、北アルプス方面への山行を計画している。季節も季節だが、天候もあまり芳しくないようなので、それなりの防寒対策が必要となる。まあ、そういうわけで前々から欲しいと思っていたダウンパンツを買った。そう、安全確保のためしょうがなく買ったのだ。家内にはそう説明した(汗)。
買ったのは、マウンテンイクイップメントのパウダーパンツ。わずか211gでテン泊時の寒さを格段にしのげるのであれば、ややお値段は張るものの、この時期の装備としてはやはり必要なものとして準備しておくべきなのだろう(汗汗)。
自分の場合、この時期のテン泊時の防寒対策として、これで上下のダウンが揃ったので、これにモンベルダウンハガー800の♯3(リミット温度-2℃)のシュラフと、ゴアのシュラフカバーとセットで使用すると、おそらく-10℃くらいまでは行けるんだと思う。来週の山行もこれで安心だ。しかも奥多摩辺りの低山であれば、真冬も行ける計算になるので、これでずいぶんと山行の多様性が高まったことにもなる。今度の冬は奥多摩に冬キャンプでも行ってこようかな。家内は付いてきてくれるだろうか...、だめか家内は装備を持っていない。じゃあ、やっぱりお一人様か。


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2017年10月6日金曜日

一泊二日『涸沢カール』への旅

2日目の早朝、目の前の穂高連峰は赤く照らされた。さあ、新しい一日が始まるぞ。
先週の週末、あの涸沢カールに家内と行ってきた。もちろん上高地から歩いてだ。とうとうこの自分も北アルプスデビューである。まあ、そうは言っても山頂を目指したわけではなく、あくまでも涸沢カールを目的地として歩いてきたのだが。それでもこの涸沢カール、家内だけではなく、自分にとってもなかなかな強敵だった。というのも、出発地点の上高地バスターミナルから目的地の涸沢カールまでの片道の距離は約17kmと、およそ3分の2が平地だとはいえ、家内はもちろん未曾有の距離であったし、自分は自分で20kg近い荷物を背負っての歩き。それなりの不安と覚悟を持っての出発となった。
とはいえ、そこは初めての上高地、初めての北アルプス。テンションが上がらないはずがなく、2人とも上高地に着くなり河童橋を見ては「キャー」、その背後にそびえる明神岳を見ては「オー」と、まさにお上りさん状態。実際に歩いてみても、上高地を発って1時間ごとに明神、徳沢、横尾と、山小屋が配置されて休憩できるので、初めの長い平地歩きもそれほどダラダラとした感じはない。また、その後の横尾大橋を渡ってからはどんどん景色が変わっていくし、本格的な登山道に入っても危険箇所はほとんどないこともあって、目的地に着くまでのワクワク感を存分に楽しめるコースだった。

雲一つない錦秋の涸沢カール。そのスケール感にただただ圧倒されるばかり。
そしてなんと言っても、涸沢にたどり着いた時のあの感動。いままでテレビや写真でしか見たことがなかったあの景色がすぐ目の前にある。スケール感のある美しいカール地形、威厳さえ放つ岩山、錦色に燃立つ紅葉、そしてこの日はそれらを引き立たせる雲ひとつない青空があった。完璧である。夜は夜で満天に広がる星空と暗闇を彩る色とりどりのテントの明かり。そして翌朝のモルゲンロート、自然に涙が流れてきた。山やってて本当に良かったと、何度も何度も心の中で叫んだ。人生五十有余年、おそらく自分の中ではこの景色がナンバーワンだと思う。ここはそんな特別な場所だと強く感じられるところだ。
ただ、ただ一点だけ難点を挙げるとすれば、それは異常なまでの登山客の多さ。目的地まで長い道のりがあるにも拘わらず、昨今の登山ブームに外国人観光客の増加もあってか、この日もテントだけで1000張り以上は確実にあって、二つある山小屋もおそらく超満員なんだろうと思う。いくらスケールの大きな涸沢といえども、この日、ここにはいったい何人の登山者がいたのだろうか。涸沢ヒュッテの売店には長蛇の列ができ、名物のおでんセットにありつくには何時間かかるのか。もちろんトイレも同様で、便器にたどり着くまで30分以上は確実にかかり、もようしてから列に並んでは時、既に遅しである。テン場に至っては、砂地なんて残っているはずもなく、それどころか、よもやテン場とは思えないようなゴツゴツした岩の上に仕方なく張るしかなく、夜は寝辛さに悩まされた。

前穂高岳から大きな月が顔を出してきた。この日は明るい月夜だ。
人だらけの涸沢、自分たちは今回そんな大変な目に会うとも知らずに行ってしまったけど、平日や他の季節は分からないが、この時期の週末の涸沢に行くには相当の覚悟が必要。でも逆に言うと、あまり構えすぎると行けなくなってしまうかな。勢いも必要だと思う。そうした点も含めて実際に歩いてきた者の率直な感想としては、「それでも一度は歩くべき」ということ。そして「次はこの季節を外して行こう」とも思った。つまり、大変な思いはしたけれどもう一度行きたい、涸沢カールはそういうところであることは間違いない。
さて、日頃トレーニングをろくにしていない家内と歩いたコースタイムを以下に記すこととしよう。きっと、トレッキング初心諸君の参考になると思う。そして最後に一言、言わせてほしい。「山サイコー!」。

【1日目】 8:19 上高地バスターミナル → 9:26 明神館 → 10:15 徳沢キャンプ場 → 11:34 横尾山荘 → 13:13 本谷橋 → 15:44 涸沢ヒュッテ
【2日目】 6:37 涸沢ヒュッテ → 8:35 本谷橋 → 9:44 横尾山荘 → 11:09 徳沢キャンプ場 → 13:00 明神館 → 13:57上高地バスターミナル


【1日目:Start 上高地バスターミナル~明神~横尾~涸沢テン場】
総行程は、距離16.9km、出発地点標高1504m、最高標高2305m(涸沢ヒュッテ)、最低標高1504m(出発地点)、移動平均速度 約1.9km/h、総所要時間8h38m(by garmin)
【2日目:Start 涸沢テン場~横尾~明神~上高地バスターミナル】
総行程は、距離16.5km、出発地点標高2294m、最高標高2303m(涸沢ヒュッテ)、最低標高1508m(上高地バスターミナル)、移動平均速度 約2.2km/h、総所要時間7h19m(by garmin)


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2017年9月24日日曜日

富士山展望台『金時山』

日本一の山、富士山。たまに見たくなるんですよね。
雨男の自分、今年は特にその能力を発揮し、自ら計画した山行をことごとく中止に追いやってしまった。先日の3連休も随分前から家内とテン泊山行を計画していたが、台風の影響によりあっさり中止となってしまった。ただ、連休に入ってすぐ、最終日の天気が晴れの予報に変わってくれたので、久々に家内を引き連れて山に向かうこととした。
歩いてきた山は『金時山』。箱根にある、あの金太郎伝説で有名な山だ。神奈川県民には気軽にハイキング的な登山を楽しめる山として親しまれているのだそう。
この山をチョイスしたのは、もうかれこれ5年ほど前だろうか、やはり家内と歩こうと思って計画して、何かの理由で断念した山だから。その後、そのとき作成した登山計画書や地図はどこかに埋もれてしまっていたが、今回、家内が「そういえば、あれあったじゃん」的に思い出し、ようやく日の目を見ることになった。
朝早く東名高速を走らせていると、ややしばらくして日本一の富士の山がどーんと視界に入ってくる。この日は快晴、運転しながら早く歩きたくてうずうずしていた。その後、車を金時神社手前の無料駐車場に停めて、歩き始めたのは午前8時半、薄暗い杉林の登山道は台風の影響からか辺りには木の枝や葉っぱが散乱している。登山客もまばらな中、約一年ぶりの家内との山歩きがスタートした。このところ我が家ではいろいろな問題が起きていただけに、そんなことを払拭するかのように、家内は「やっぱり山はいいね~」と何度も呟き、自分はというと、雨に濡れた濃い緑の森を眺めながらうんうんと頷いていた。

歩き始めは杉林の登山道。鎮守の森ということだろう。
特に危険な箇所もなく、傾斜も緩やかな登山道。とはいえ膝にやや不安を抱える家内に配慮し、二人はゆっくりゆっくりと山頂を目指した。時折視界が開ける場所に出るが、厚い雲が勢いよく流れていて展望があまり効かず、その後、2時間かからずに辿り着いた山頂にも厚い雲が張り付いていて、視界はほぼゼロ。その山頂には意外にも登山者が20~30人ほど休憩していて、晴れの日を待ち望んでいたのはどうやら自分たちだけではなかったよう。問題は、この雲。富士山には雲がかかっていないはずなのに、ここが雲に覆われてしまっては、せっかっくの目標物も拝むことができない。そう、この日は富士山にほど近いこの山の頂からあの雄姿を眺めることが最大の目的だった。

この日、山頂に着いたときはこんな感じ。少しだけ絶望したかな?
唯一の期待としては、雲の流れるスピード。時折雲が薄くなったときに一瞬、うっすらとすそ野を広げたあの雄姿が姿を見せ、その都度、山頂では歓声が上がる。少し時間をかけて待ってみようと、強風の中、ガスバーナーに火を点け、早めの昼食を食べていると、思ったより早く「その時」はやってきた。この山を覆っていたしつこい雲がすべて抜け、一気に辺りは快晴となり、この場所がこんなにも展望の良い開けたところだということに気付いた。こんなことってあるのか?ああ、富士山がでかい!やっぱり富士の威厳はすごいな!それにしてもここは、まるで富士山の展望台のようだ。
その後、二人は霊峰富士に祈りを捧げ、乙女峠を経由する縦走ルートを歩き、スタート地点の金時神社に下りた。久々の家内との山歩きは、実に満足のいく楽しい山歩きとなった。帰りの車の中で家内はすぐに「次はどこ歩く?」ですと。なんだか、家内の山愛に再び火が燈ってきたようだ。さて、次はどこに行こうか。


【Start 金時神社駐車場~金時山~長尾山~乙女峠~Goal 金時神社駐車場】
総行程は、距離約 8km、出発地点標高695m、最高標高1212m(金時山)、最低標高695m(出発地点)、移動平均速度 約1.4km/h、総所要時間4h52m(recorded by garmin(スタート時に不具合発生))

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2017年9月2日土曜日

槍ヶ岳開山(新田次郎)

年季物の本、初版は昭和43年で、これは昭和50年の第20版でした。
この夏、登るはずだった槍ヶ岳。40年ぶりの長雨に阻まれ、惜しくも夢と散ってしまったが、そんな槍ヶ岳登山に向けて読んでいたのが、近所の図書館で借りてきたこの本。もともと自分が持っていた槍ヶ岳のイメージは、「北アルプスの中心」、「ほかの山頂からの眺望のシンボル」、「岩」、「登攀」などなどで、この本を読んでみると、そうした自分が抱いていたイメージが江戸時代の人々も同様に感じられていたことが分かって、この槍ヶ岳という山にググッと親近感を覚えてきた。いまだ北アルプスを歩いたことのない自分、事前のルート調査とこの本を読んだことによって、歩いたことのない槍ヶ岳の付近の景色が目に浮かんでくる。楽しいやら悲しいやらである。
さてこの物語、時代は1800年代初頭に遡る。農民一揆の混乱により自分の妻おはまを誤って殺してしまい、出家の道を辿ることになった岩松(のちに播隆上人)は、苦しい修行を乗り越え、笠ヶ岳再興に続き槍ヶ岳開山を目指す。衆生済度(しゅうじょうさいど。生きているものすべてを迷いの中から救済し、悟りを得させることの意味で、仏教用語)のためにとしながらも、上人自身の中には亡きおはまに自らの過ちの許しを得ることが強く意識されていた。そしていよいよその頂上に立った時、そこには五色に彩られた虹の輪の中に如来を見たがその如来は形を変え、おはまの顔が浮かびあがってきた。だが、そのおはまは、いまだ憎悪の念を抱くように上人を睨んでいた...。
何とも苦しい物語ではあるが、そうしたストーリーの中にも新田次郎らしく入念な取材の跡が窺われる作品で、仏教解釈のみならず、もちろん地元の訛りや地名などもふんだんに出て来ていて、特に印象に残ったのが上高地は昔は「上口(かみぐち)」と呼ばれ神聖な場所だったようだし、現在の槍沢ルート途中にある播隆窟(坊主岩)も昔から岩小屋と言って、避難小屋として使われていたようだ。あ~あ、こんなことばかり詳しくなっても、実際にこの目で見ないと意味がないんだけどね。でも、来年こそは行くぞ北アルプス。そして待っていろよ槍ヶ岳!

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2017年8月27日日曜日

せっかく買ったのに...ビレイグローブ『Black Diamond CRAG』

こいつと槍に行きたかった...。
たった今、目の前のテレビの画面のこと。24時間テレビで義足の少女が槍の穂を攀じ登っていて、とうとう穂先への登頂を果たした。すごい根性だ。かくいう自分、40年ぶりの長雨に夏休みの山行計画はことごとく中止に追いやられ、「残念でした」投稿をここに書いている。晴れていれば今頃このテレビを見ながら「そうそう、ここ、ここ」とか言いながら目をキラキラさせていたに違いなかったのに。この落差は何なんだ...。
窓からはセミの声がひっきりなしに聞こえてくる。何のセミだろう。心なしかそのセミたちの声が夏の終わりを告げているように感じる。せっせと準備した槍ヶ岳登山。ルートも頭に叩き込んだし、新たな道具も購入したが、シーズン中に連休を確保できない今年は絶望的で、全ては来年までお預け。
このグローブも同行予定だった山友に「念のため準備しておいた方がいい」とアドバイスを受けて急きょ購入したものだが、荷を解く前に中止が決定された。悲しすぎる...。日曜の午後、そんなブルーな気持に浸りながら一人の時間をゆっくりと過ごしている。
タイトルにはビレイグローブと書いたが、そういうカテゴリでよかったのかな?ショップの岩登りコーナーにはたくさんのグローブが並んでいたけど、このクラッググローブが格段に安価だった。というのも、ほかのグローブは本革でこいつは合皮だから。でも岩登りをそう何度もやらないであろう自分にとっては、このくらいがちょうどよいと思う。それでもこのグローブ、作りはしっかりしているし、ノーズワイパー(鼻水拭き)やカラビナホールもついていて、機能的には文句はない。もちろん、実際の岩を掴んでみたわけではないので、肝心なホールド感は検証できていないけど。まあ、その辺は来年の楽しみとしておこう。それにしても、夏山シーズン真っただ中の今月、「山ゼロ」は何とも悔しかった~(涙)。
安い割にしっかりとしてる(ように見えるけど)
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2017年8月5日土曜日

ヘルメット購入『Black Diamond Vector』(ベクター)

幅広設計で、頭の大きな自分も安心!よく見るとヘッドランプクリップも。便利!
先日、登山用のヘルメットを購入した。それは、いよいよというべきだろうか、今月、あの槍ヶ岳に登る計画を立てているから。槍ヶ岳といえば、山をやらない人でも一度は聞いたことがあるであろう日本を代表する名峰であるし、もちろん山をやっている人にとっても、誰しも一度は登ってみたい山だろう。ただし、その頂に立つためには岩登りという試練を経なければならず、自分のような高所恐怖症の人間が果たして登り切ることができるのだろうかと、今から楽しみにしている傍らで不安がいっぱいの心境である。そうした、岩登りに必要となってくるのがヘルメットで、これは主に上部からの落石から頭を守ることと、滑落事故に備えるためで、ヘルメットを被ることで、数字的には死亡事故の可能性は低くなるようだ。計画している槍ヶ岳を中心とした山域は、長野県山岳遭難防止対策協会が2013年にヘルメット装着奨励山域に指定しており、このおかげもあってか最近は随分とヘルメット着用者が増えたと聞いている。まあ、そういうことで自分も購入したというわけ。
ベンチレーターもしっかりと付いていて、頭の蒸れ蒸れにも対応しています。
購入したヘルメットは、ブラックダイヤモンドのベクター。数あるヘルメットの中でコレに決めた理由はただ一つ、自分の頭のサイズに合ったから。都内の山岳系スポーツショップであれこれと試着してみたが、なかなか自分の頭にピタッとハマるヘルメットがなく、唯一と言ってもいいと思うが、このベクターだけがしっくりときた。改めて自分の頭の大きさに愕然としてしまったが、もはや選択の余地はないと、即座にこれを購入。もちろん事前に「ヘルメットの購入の仕方」的なサイトがいくつもあって、それらを読んではいたが、なんだかんだ言ってフィット感が悪けりゃ元も子もないと思い、有名メーカーだし、デザイン的にも悪くないし的にあっさりとコレに決めた。付属品としてヘルメットをザックに取り付けるホルダーも購入し、気分はすでに目指す槍ヶ岳へ。さて今度の山旅、果たしてどうなることになるのやら。レポは追って投稿することとします。

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2017年7月23日日曜日

初歩き南アルプス『鳳凰三山』(2日目、縦走編)

地蔵岳山頂からオベリスクを仰ぎ見る。そのスケールに圧倒!
(1日目、苦闘編から)
散々な山小屋泊まりを終え、周りの皆さんとともに午前3時前に起床した自分。よく寝られたのかどうか分からないボヤ~っとした状態で身支度を整えていると、これから訪れる現実に次第に興奮を覚え始め、あっという間に目がぱっちりと覚めてきた。「よしっ、行くぞ!」って感じで。
とはいえアルファ米の朝食を終え、なんだかんだ出発となるとすでに午前4時。それでもまだ夜は明けていない。ヘッドライトを点け暗い急登に向かっていく。歩き始めて30分もたたないうちに辺りは薄明るくなり始め、それとともに今回の山行で初めて樹林帯を抜け出し、花崗岩の砂礫地帯に突入した。これぞ鳳凰三山の景色、「ようやく来たぞ」と一気に気分は高まる。その後、山頂間近で夜明けを迎え、久しぶりのご来光にお目にかかった。山で見る日の出はやはりいい。心が洗われるとでもいうか、苦労して登ってきた者だけが得られる特権だろう。そして目の前にはあのオベリスクがドーンとそびえていた。憧れの山域にきょろきょろとしながら、歩き始めから1時間で地蔵岳山頂に到着。初めての地蔵岳はオベリスクの大きさに圧倒され、数々鎮座する地蔵に厳かな雰囲気を感じ、オベリスクの裏側に回ると甲斐駒ケ岳が威風堂々と目の前にそびえていた。なんという場所なんだここは。なんていうか...興奮が収まらない!

この地蔵たちは、登山者がいようがいまいが、晴れていようが雪であろうがいつもここで静かに佇んでいるのだろう。
興奮さめやらぬまま地蔵岳を後にし、次に目指すは観音岳。今回の山歩き、メインとなる三山の縦走は距離にして約3km。普通に歩いてしまうと1時間少々で歩ききってしまう。せっかくここまで苦労して登ってきたのに、それではもったいないと、ここからの尾根歩きはゆっくりじっくり楽しんで歩くことにした。

振り返ると地蔵岳のオベリスク。そして、遠くには八ヶ岳が。
さて観音岳は鳳凰三山で最高峰の2840mを擁し、Web情報では眺望が最高らしい。はやる気持ちを抑えて、ゆっくりゆっくりと、周りの景色をしっかりと嚙みしめるように縦走を楽しんだ。それにしてもこの尾根歩き、花崗岩の白い砂地にはいまつの緑が冴え、正面には目指す観音岳や富士山が、右手には標高日本2位の北岳が、後ろには先ほど歩いてきた地蔵岳や八ヶ岳がそれぞれ見えている。加えて今日は最高の青空。素晴らし過ぎる...。コースは多少のアップダウンはあるものの、危険個所もなく超快適。このままずーっと歩いていたい気分だ。
観音岳山頂に到着すると、その眺望に絶句。しばらく無言のまま山頂に積み上がっている大岩の上に立ち、360℃を見回した。正面から薬師岳、富士山、北岳をはじめとする白根三山、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳、遠くに北アルプスの山々、先ほどまでいた地蔵岳、八ヶ岳、秩父の山域、日本の名だたる山々がここで一望できる。本当にため息しか出てこない。山をやっていてよかった。日頃の雑事も小さなことに感じ、また頑張れる気持ちを持つことができた。周りの登山者たちも笑顔で山々を眺め、様々なポーズで記念写真を撮っている。そんな様子も微笑ましく見え、自身の体もスーッと軽くなる感じを覚えた。「よしっ、次に行こう」と呟く。

朝日に輝く北岳(右側)とその奥の仙丈ケ岳。どちらも3千m峰だ。
その後、白砂の広場のような薬師岳山頂でコーヒーを飲みながら最後の眺望をしっかりと味わい、今回の山行の尾根歩きを終えた。下りは中道コースで一気に青木鉱泉へ向かったが、このコースがすごい。というのも、傾斜のきつさとその長さ。途中、2~3組のパーティーとすれ違ったが、自分ならこのコースをとてもじゃないが登ろうとはしない。相当きついと思う。自分の場合下りだけど、むしろ下りの方が足をかなり踏ん張ることになるので、このコースの核心部分の約2時間の間に膝はかなりふらふらになってしまった。何度もこけそうになってしまったけど、やはり年齢(トシ)なのかな、自分。
とはいえ、なんとか青木鉱泉までたどり着き、お風呂をいただいてきた。1000円、沸かし鉱泉、石鹸のみ。正直「う~ん」だったかな。まあ、気持ちよかったけど。
さて、今回の山歩き、目下の目標だった鳳凰三山は、稜線まで出るのは大変だったけど、天空の稜線は期待どおり最高だった。しいて言えば、稜線が短ったので物足りなさはあったかな。今度は北沢峠から入って、早川尾根、鳳凰三山を歩いて、夜叉神峠で下りる計画を立ててみよう。やっぱりここは眺望が素晴らしかったから、ぜひもう一度歩いてみたいと思う。ということで、いずれにしてもやっぱり「山サイコー」ってか。

薬師岳山頂の手前から。富士山も頭を見せている。


【2日目:Start 鳳凰小屋~鳳凰三山~中道~青木鉱泉(青線)】
総行程は、距離10.2km、出発地点標高2400m、最高標高2840m(観音岳)、最低標高1087m(青木鉱泉付近)、移動平均速度 約1.5km/h、総所要時間6h40m(GPS端末故障のためおおよその数値)

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